第1話 祝祭の日 2

 少年はぼんやりした感覚の中を歩いていた。足をすすめる度に脳天から何かが抜けていきそうな、そんな頼りない眩暈がする。 原因は分かっている。単に貧血なのだ。
 人通りの多い場所へ、という屋台の店主たちの言葉の正しさは理解していた。そんなことは、言われるまでもなく分かっている。だが、どうしても人通りの多い場所は嫌だ。
 とても怖いから。
 人混みに酔う訳ではない。他人の目が怖いからだ。いつ、誰がどこで自分を見ているか、分からないから。
 彼は物心ついたときから追われる者であり、3年前からは逃亡者だった。母と2人でこの国を離れ、生活の道もどうにか見つかり、2人で支え合って生きていけるとそう思っていたのに。
 甘いのだ、という自嘲を彼は自分の中で何度聞いただろう。自分は甘い。詰めが甘く、予測が甘い。同じ轍は二度と踏むまいと思う側から現実は怒濤のようにやってきて、少年をいつも翻弄した。
 ――溜息が、漏れる。母が何を考えていたのか分からない。ただ、自分を守ろうとしたその意志だけを信じている。だから、母の守護に返すのはやはり守護だ。自分の力で今度は母親を守り抜かなくてはならない。
 そう思うとその困難な道に彼は顔を歪めざるを得ない。
 金。金さえ、あれば……――
 それを思うことだけでは何も進まないことを承知の上で、考えてしまうのは何故だろう。こんな事、一つも自分の前進に役立たないのに、もし、とか例えば、という冠詞のついた夢想がひどく心地よくて逃げ込んでしまいそうだ。
 胸がきりきりと痛んで、彼は自分の胸倉を思わず縋るように掴んだ。ぐしゃりという紙の潰れる音がして、そこに押し込まれた10ジル札のことを思い出す。口の中が急激に苦くなってきて、唾を吐いた。
 路地には人手を見越して集まってきた娼婦たちや男娼たちがうろついている。彼はそれに間違えられたのだった。
 少しの嫌悪と金の重みを図りかねているうちに更に奥へ連れ込まれて悪戯された。 
 それは初めての経験ではなかった。完璧な美貌とも、完全な麗玉ともいうべき彼の容貌は沢山の光と濃い影を呼んだ。それをいつでも鼻で笑い、強かに頬を打ち、時には急所を蹴り上げるなり罵倒するなりで寄せ付けなかった過去が、遙かに遠いことのような気がした。
 彼は、片手で顔の半分を覆う。突き放せなかったのではなく、そうしなかった。端金とも言うべき額を押し込まれて、それに迷い迷いながらも抵抗を放棄した。屈服したのだ。
 怒りは自分に向けたものであり、苛立ちは今の事情へ向かうものであった。
 彼は襟の隙間から札を抜き出し、握りしめていた硬貨と合わせて額を数える。小銭は額面がバラバラだったが、全部合わせると18ジルになった。
 18、と彼は暗澹とした気分になる。
 身体中を取り巻いている絶望感や疲弊感と引き換えにしたのが、この額。一晩の安い宿を探すのさえ困難な金と自分の矜持を引き換えにしたのかと思うと目が眩みそうだ。悔しくて。
 彼はそれを暫く見つめていたが、やがてゆるく頭を振った。どんな手段で手に入れたとしても金は金だと呟いてみる。自分に刷り込む作業はそう上手くはいきそうになかったが、いつまでも拘泥しているわけにもいかなかった。
 人通りの少ない広路へ出て、彼は自分の来た方向を振り返った。
 夜の闇に煌々と月が落ちたように、遙か遠い場所が真白く光っているのが見える。今日は祝祭の日、きっと更に遅くまでそこは光の溢れる場所なのだろう。
 歩いてきた距離を思い、彼はぼんやりと光を見つめた。
 朝の鐘が帝都に鳴ると、城塞都市ザクリアの城壁門が開く。すると前夜の閉門に間に合わずにその場で屯していた旅人達が帝都の中へ消え、城壁の中からも旅立つ人々が流れ出てくる。人の流れに添うようにしてザクリアへ入ったとき、自分は何を考えていただろうか。
 母の安否か。それともこれから先のことか。否、底をついた所持金のことだったろうか。
 実際ここ3日ほどはまともなものは口に出来ていなかった。水だけは街道沿いの村や都市の井戸を使うことが出来たが、その他には金がかかる。
 それまでも節制ばかりだったから、元から豊かと言えなかった体力は目に見えて落ちていき、それに伴って視野が狭まっていくのが自分で分かった。未来のことや将来のことなどよりも、その日の食事の方が気にかかるのだ。
 それでも自分は帰ってきた――最も古い血を誇る皇帝の下繁栄と豊穣を遍く享受する都、美しく整えられ拡張を繰り返してきた歴史と文明の息づく都、そして彼自身の血の根元の回答が秘められている都、 ――シタルキア皇国、帝都ザクリアへ。
 そして、これからいくべき場所も決まっている。それは3年前に彼の秘密を見抜いた上で力になろうといってくれた優しい皇子の下ではなく、勿論世話になった学校の関係者でもない。
 ザクリアの暗部、国家の闇と快楽を引き受ける赤い格子の町、タリアへ―――
 まだ奴は生きているだろうかと彼は目を閉じる。面影は3年前で止まっている。
(何かあって俺の力が借りたいときは必ず俺を呼べ。借りは必ず清算する)
 この言葉に縋りたいのは自分だ。奴は覚えているだろうか。自分が一時保護していた子供のことを。言質といえる言葉を与えたことを。生きて、覚えていてくれるだろうか……
 もし男が既に世を去っているのなら、自分はとんでもなく間違っていたことになる。だが、他に頼っていく人間を思いつかなかったのだ。
 生きていてくれ。そう願う自分の思いが全く利己主義から発しているのを承知の上で、彼は強く念じた。
 どうか、お願いだから。希望と呼ぶには余りにか細い糸を切らないで。そんなことを強く祈り、そして彼は固まったような頬で無理矢理笑おうとした。
 殴られた跡が引きつって痛んだ。そしてその後は? 奴が生きていて、再会した後は……
 頬が歪んだのと同時にそこが激しく痛みを訴えた。だが彼はそこに手をやらない。彼の手は、自分の胸の前で祈りをするときのように組まれたまま、微かに震えている。
 本当にこれしかないのかは母を連れて海を渡る間中、ずっと考えていた。きらめく波間の美しい水影を睨み据えながら、ずっとずっと、考え続けた。
 自分たちに頼れる身内は存在しない。追っ手のことも怖い。帝都から逃げ出したときに持っていた現金も宝石類も、殆ど使い果たしてしまった。
 皇子の下へはいけない。そこへ顔を出すことは藪蛇になる。襲撃者達の雇い主に、自分の帝都への帰還をわざわざ教えてやることは愚かというものだ。
 いっそ魔導士となって魔導の塔に身売りしようかとも思ったが、国家の奴隷となることは即ち母に会えなくなるということだ。
 だが金は必要だ。それも早急に、莫大な額が。
 彼は唇をやわく噛む。まるきりの八方塞がりというわけではないのだ。道はある。ただ、それにどれだけの覚悟がいるのかというだけの話だった。……胸が痛む。
 母さん。
 母さん、俺は間違っているのだろうか? でもこの場合は正しい答えなど何の価値もないんだ。要するに結果なんだ。自分を折る相手は自分で選ぶ。それが俺の結論だから……
 だが、それでも泣きたくなる。屠所に引かれる羊の心境というのはこうしたものかもしれなかった。神妙に項垂れて目線だけをあげながら、落ちつきなく周囲を見回している受刑者のようなものだ。
 そしてどれもこれも、あの男が生きていなければ水泡になって消えていく夢のようなものでしかない。生きていてくれ、と願うこの言葉があまりに切羽詰まっているのが自分でも悲しかった。
 タリアは帝都ザクリアの中心から南西に下った辺りに位置する。城壁門は北と西の2ヶ所にあり、彼は西の門をくぐって帝都に入った。一日歩き詰めてどうやら皇宮から続く大路に出た。距離に直してようやく半分に足らないほどというべきだろうか。
 彼は痛む足をじっと見下ろす。半ば機械的に足を動かしてきたが、もうこの辺りが限界というものだった。18ジルで宿を探すとなると、安宿の集中するあたりまで行かなくてはならないが、それはタリアの近辺だった。食事をしてもいいが、今夜の安全を確保することと一体どちらが大切だろうか。
 そんなことを考えていると、視界の端に馬車が見えた。彼はそれを見つめる。御者の方も彼に気付き、近く寄ってきた。
「乗るかい、兄ちゃん?」
 首を振りかけて、彼はふと思う。この金でタリアまで行くというのも悪くなかった。
 タリアについた挙げ句に自分の望みが叶わなければ、それはその時考えても良い。
 空腹と疲労は思考力を奪い、刹那的な未来しか考えられなくなる。彼はとにかく疲れていたし、動けなくなる寸前であった。
「……タリアまで、いくら?」 
 御者はなんだ、という顔をした。先ほどの男と同じように彼を男娼だと思ったのだろう。
「25」
 ぶっきらぼうに返してきた。25、と彼は繰り返して呟く。手の中で彼の全財産がこすれあい、音を立てた。
「乗らないのかい?」
 せかすような調子で御者が言った。
 彼はゆるく首を振る。御者は彼の様子がしおらしかったのを哀れに思ったのだろう。幾ら持ってる、と聞いた。
「今、これしか……」
 彼は自分の手を広げる。御者が唸る。彼は半ば祈るような気持ちで御者を見上げ、彼の行く先を照らすランプの近くへ出た。
 目があって、御者が微かに息を呑んだ気配がした。彼は縋り付く顔をする。今は誇りだの矜持だのと理屈を並べるときではなかった。
 やがて溜息がした。
「……いいだろう、乗りなよ。今日はお祭りだからまけといてやるさ」
 彼は頷く。
 金を全部御者に渡すと馬車へ乗り込む。一瞬の間をおいて走り出した馬車の出立を祝砲するように、どこか遠くで爆竹の音が聞こえた。
 しばらく馬車の中で、彼はまどろんでいた。訳の分からない色味と暗闇が混じり合って、ひどく気疲れした。御者が彼を揺すって到着を告げたとき、目覚めは明らかに安堵だった。
 去っていく馬車の轍の音をぼんやり耳に拾いながら、彼は赤く塗られた柱を見上げた。その柱から先の町は、今までの青黒い石の町とは明らかに違っていた。
 びっしりと通りを埋め尽くす赤い格子。華やかな音楽が微かに聞こえ、猥雑なさざめきと女達の嬌声、そして甘い化粧の香りが満ち満ちている。決して狭くはない道の両側に焚かれる篝火が朱塗りに金泥の模様の店棚に照り映えて、通りごと燃えるような色に染めている。
 懐かしく、変わらぬ光景であった。3年前に帝都から逃げ出す前と、何一つ変わっていない。人の欲望を満たすための町は、欲望の本質が変わらないことには変化などないのだろう。
 彼はその中へふらふらと足を入れていく。振り返る人々の、強烈に突き刺さってくる視線が肌に痛かった。彼は娼家の赤い格子にはめられた飾り硝子をちらりと見る。
 黒い髪は魔導の効果だ。本来の髪の色を変えることは出来ないが、幻術という形で違う色に見せることは出来る。染め粉を買えなくなってからはずっと魔導の力だった。
 ただ、魔導による幻術で姿を変えても魔導禁止結界に触れるとか、施術時の体温と著しく離れたとかですぐに効果がなくなる。だから一番確実なのは今でも染め粉を使った上で傘を持つこと、なのだった。
 髪の色がまだ気になる辺り、自分も3年でそう変わったわけでもないな、と彼は自嘲する。男に殴りつけられた顔は押さえるとまだ痛んだが、青くなってはいなかったから痣にはならないだろうが、それにしても頬の痛む箇所の痕跡が目立った。
 人の視線はこれだろうかと思いながら、彼は路地へ入っていく。3年前の秋の日に、毎日のように通った道も変わらない。どこもかしこも昔のままに薄汚れた町並みだった。
 細い路地に入っても、暫くは安い娼家や貸し部屋などが並び、やがて更に怪しげな雰囲気を漂わせる店が続き、それがぱったりなくなると今度は非合法のものばかりを扱う闇の市場になる。
 市場といっても店があるわけではない。たむろしている男達が大抵仲介屋で、欲しいものを告げれば元締めの所へ連れていくという段取りだった。
 そうした路地を抜けた先に、チェインはある。少年達が巣くう、タリアで最も危険な場所の一つだ。昔出入りしていた屋敷はトリュウムと呼ばれていた。チェインの中程にある、大きな石のアパートだ。
 馬車の中で少しまどろんだせいで、足取りは以前よりは少しましだった。どうにかトリュウムの黒々した影姿が目に入るようになって、彼はほっと息を吐く。男が生きているか否かという賭はともかく、ここへ辿り着いた旅路の終焉が見えて、少し楽な気分になった。
 トリュウムに近付いていくと、門のところで雑談に興じていた少年達が顔を上げ、彼を認めて一斉に凄む目つきになった。明確な味方か明らかな身内でないときに身構える彼らの反応がやはり同じで、彼は思わずゆるく唇で笑う。自分たちに対する嘲弄だと思ったのか、一番身体の大きな少年が何がおかしいのだと低い声で聞いた。
「あんまり無遠慮だと知らねぇぞ」
 ああ、と彼は微笑みながら頷く。変わっていない。ここの少年たちの気質は昔のままだ。余所者を嫌い、自分たちと違う境遇の子供を憎しむ。
 彼がそんなことを思っていると、急に胸倉が掴まれた。抵抗する体力は殆ど残っていない。彼はそのまま引き寄せられ、咳き込んだ。
「随分楽しそうだな、お前、酔っぱらってんのか? それとも――」
「ねぇ」
 彼はその言葉の終わるのを待たずに呟く。
「あんたたちの頭って、まだ、ライアン?」
 一瞬の沈黙の後、不意に空気が戸惑いへ変わった。
 そうか。彼は破顔する。
 生きているのだ、彼を保護し彼に居場所をくれると約束したあの男は。少年達の戸惑いと、その眷属である沈黙は彼らが支配者の機嫌を損ねやしないかと考えている証拠だ。
「……ライアンに何の用だ」
 掴まれていた部分が急に楽になって、彼は呼吸を整える。自分の周りを少年達がぐるりと囲んだ。
 彼は薄く笑いながら、俺は奴に話があるんだと言った。少年達がお互いに視線を交わし合いながら、口にしない会話をした。
「―― お前には会う資格がない。俺達は何も聞いていないし、お前がライアンの知り合いだという証拠もないからな」
 そう言われて彼はゆるく首を振った。腰のベルトに繋いであった漢氏竜の煙草入れを抜き出して、彼らに見えるように掲げる。
「ライアンから貰った。3年前だ。……信じなくてもいいけど、もし俺が本当にライアンの知り合いで、ライアンが俺にいつでも訪ねて来いとこれを寄越したのも本当だったらあんた達、ただじゃ済まないんじゃない?」
 この恫喝は効いた。僅かなざわめきがして、少年達は沈黙へ還った。先ほどの大柄な少年が取り巻きの一人に何かを言いつける。暫くにらみ合っていると、やがて軽い足音が聞こえた。
 彼はそちらをちらりと見る。自分を取り囲む少年達の姿に隠れて顔はよく分からないが、飛び抜けて背が高い。
 ライアンではないのがすぐに分かった。彼の記憶の中にあるライアンの背格好とは似ていなかったし、3年前ライアンは既に外的成長は終えた年齢だった。
 少年達が割れる。ある程度を束ねている幹部と言うところだろうかと彼は顔を上げてまじまじと相手を見つめ、……そして首をかしげた。
 面差しを知っている。すぐに分からないのは余りに成長が著しくて、一瞬目を疑うほどだからだ。
「……チアロ?」
 呟いた自分の声に触発されるように、相手の顔がぱっと明るくなった。
「クイン!」
 久しぶりに呼ばれた名前に彼は微かに震える。最後にその名を呼ばれたのは一体いつのことだったろうか。抱きついてきた身体は温かで、背を抱き返しながら、彼はうん、と頷いた。
「ああ、久しぶりだな、クイン、お前元気? なぁ、今までどこで何を? ライアンもお前のこと懐かしがってさぁ、あ、ライアンに会うだろ? 今ちょっと忙しいけど、お前が戻ってきたって言ったら飛んでくるよ! ライアンには俺から連絡するからさ、ライアン今王屋敷の方にいるから、多分ね、でもすぐには無理かもしれないけど、会いたいだろ? 懐かしいなぁ、なぁ、本当に何年ぶりだっけ?」
 3年だよ、とクインはゆるく笑った。3年前このチェインに出入りしていた頃、ライアンの弟分としていつもその側にいた子供だったチアロは、子供を脱して既に少年から大人への階段に足をかけようとしていた。
 おさない日の年月は、余りに多くのものを変える。
「知り合いですか」
 チアロの後ろから先ほどの少年が声を掛けた。チアロは振り返り、軽く頷いてみせる。
「お前ら、余計なことはしなかっただろうな」
 クインは微かに眉をあげる。この3年でチアロの身に加わったものは、どうやら背丈だけではなさそうだった。今でも明るく人好きのする性質は変わっていないが、それと同時に、他人を従える威圧感のようなものを備えつつある。少年達に下す言葉の一つ一つが小気味よいほどはっきりしていた。
 少年達を手で追い払い、チアロは彼の顔を覗き込んでくる。何、と聞き返すとチアロは自分の頬を軽く指で叩いた。
 ああ、とクインは苦笑になり、そしてまだ痛むそこに片頬を引きつらせた。
「何でもないよ。ちょっと揉めて殴られただけだから……それより、ライアンは……」
 言いかけた言葉を、チアロが手で制した。そうした仕種の中にも、チアロが少年達の上に立つ身である空気があった。
「ライアンは少し、忙しいんだ。もちろんお前が帰ってきたことを知らせるけど、いつとは約束できない。配慮はしてくれると思うけど……ああ、立ち話なんかするもんじゃないな。食事は? もしまだなら、近くに軽く飲み食い出来る所があるけど」
 クインは一瞬返答につまる。馬車代で所持金は使い果たしてしまい、無一文だった。
 彼が返答を躊躇った僅かな時間は、チアロの気安い、朗らかな声ですぐにかき消された。
「久しぶりの再会なんだから、俺がおごるよ――さ、行こう」
 明るく笑ったチアロの顔が、クインの視界で歪んだ。
 ライアンの生存。チアロとの再会。希望が潰えていなかったことに対する安堵。ようやく呼ばれた自分の名。帰ってきた、自分の巣。
 それがないまぜになって喉からこみ上がってくる。チアロがそれに素知らぬ顔をしてくれるのが嬉しかった。