星の挽歌/王様と家来たち

 昔むかし、遠い昔、この国にはいろいろな王様がおりました。王様たちはよくけんかをしていたので、そのたびにみんなが迷惑をしていました。
 そこへある日、一人の王様がふらりとあらわれて、こう言いました。
「けんかはやめよう。私が良い国をつくるから、協力してくれないか」
 その王様は言ったとおりけんかのない、平和でやさしい国を作りました。他の王様たちは平和な国をつくるために王様の家来となってゆき、最初の王様を残してやがてひとつの大きな国となりました。
 けれどある年、北の国から魔女がやってきて国をおそいました。王様は神様にいっしょけんめいにいのり、神様は王様のねがいをきいて魔女をしずめてくださいましたが、そのため王様は神様のところへお礼を言いに行かねばならなくなりました。
「わたしが神様のところへ行っている間、みなは手を取り合ってこの国を守りなさい」
 王様は家来たちにそう言い残しました。しばらく王様に会えないと分かった家来たちはみな悲しみました。
 泣いている家来たちを王様はかわいそうに思ったのでしょう、自分の黒い髪を切り、持っていた緑の本と赤い剣をこなごなにくだいて、全て星に変えて空へちりばめて下さいました。
「星たちがわたしのかわりにみんなを見守るから、わたしが帰ってくるまでたのんだよ」
 そう言って王様は、月と太陽が王様のために作った道で、旅に出てゆかれたのです。
 お空の星は今でも王様のかわりにみんなが安心して幸せにくらせるよう、見守ってくれています。
 そして王様はいつか帰ってきて、わたしたちをふたたび幸せにしてくださるのです。