第2章 赤い小鳥

第2章 赤い小鳥 12

 ……僅かな時間、夢を見ていたようであった。今日は眠っていてもいいのよという遊女たちに従うように、リィザはひと […]


第2章 赤い小鳥 11

 貸し部屋の主人からの連絡で、チアロはタリアの最浅部付近にあるその場所へ顔を出した。彼とすっかり馴染みになった […]


第2章 赤い小鳥 10

 小間使いの少女が来客を告げた時、女将はちょうど帳簿をつけ終えて一服を始めるところだった。煙草は振り出しの妓楼 […]


第2章 赤い小鳥 9

 昼間をようやく迎える妓楼の中は白けた明るさが漂っている。店棚の格子窓には全て簾が降り小間使いたちが夕方からの […]


第2章 赤い小鳥 8

「……さ、これで大体いいわ。やっぱりリュースちゃんってば美人ねえ」  ちゃんはやめてよ、とリュース皇子は照れつ […]


第2章 赤い小鳥 7

「……本当に、ごめんなさいね」  改めて彼についた遊女が苦笑しながら作ってくれる酒を飲み干し、ディーはいやと曖 […]


第2章 赤い小鳥 6

 宴席というには無秩序な享楽であった。彼らのために用意されたたっぷりの食事も酒も、腹を空かせた獣が貪るように、 […]


第2章 赤い小鳥 5

 どれくらいの期間を泣き暮らしていたのか、リィザは数えていなかった。  悲しい、と思う。思えば涙が出る。切ない […]


第2章 赤い小鳥 4

 窓をいっぱいに開けると海からの風が入り、療養所の美しい緑の彼方に海が見えた。海の表面には沢山の船舶がある。 […]


第2章 赤い小鳥3

 最初に不審に思ったのは、いつもの時刻に料理人が来なかったことだ。料理人は几帳面な性格の初老の男で、時間には正 […]